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「おかえり」
アレスと別れ、仲間達の元へ戻ろうとすると既にリーアが出迎えに来ていた。
「アレスさん居た?」
「あぁ…」
「――そう」
然程興味も無さげにリーアは答えた。
「…もうすぐだよね?」
リーアは傍らに寄ると小声で訪ねた。
俺は黙って頷く。
「私は…大丈夫かな?」
心細げにリーアは呟いた。
「ちゃんと戦って…ちゃんとみんなの役に立てるかな…」
「心配するな」
俺は彼女の頭に手を当て撫でてやった。
「お前には何も期待していない。だから何も心配するな…」
「フロスト…」
「頑張らなくていい、ただ無理だけするな」
「ほんと…なんの期待もしてくれないんだね」
くすぐったそうに、そして満足そうにリーアは呟いた。
「――あぁ、期待なんてしない…」
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