エピローグⅢ

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「思ったより早かったな」 仲間達の元に戻った俺達にそう言ったのはジェフだった。 「長話するほどの暇もないだろう」 「それもそうだな」 ジェフはもっともらしくそう頷く。 事実もう幾分もなくこの区画も交戦状態に入るだろう。 火と鉄で自然を征服してきた人間が未だに蹂躪出来ずにいる存在と。 「しかしなんだ…前の堅苦しい職を辞めて、自由奔放な狩人生活を送っていたというのに…結局お国の為に働く事になるとは…」 ジェフはため息と共に不満を吐く。 それは元の運用方法が不能になるまで打ち付けられた彼のハンマーが呟いた言葉の様でもあった。 「なんなら今すぐ引き返してもいい、戦力外はいらん」 俺の問いかけにジェフは鼻で嗤う。 「引き返してる暇も無さそうだ、来たぞ」
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