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「火急の用?」
ニィニャは王家に呼ばれる用事など身に覚えがないので、夫と間違えているのではないのかと聞こうと――
「母上が…王妃が大変なのです。」
ニィニャが一歩前へ足を出そうとした何秒か前、王子が口を開いた。
えっ?
王子の言葉を聞いてニィニャだけでなくその場にいたジャックを含めティスティニー家全員が驚く。
もちろんルーラも。
「お休みを取られているところ申し訳ありませんが、一緒に来てください。」
ニィニャが王子を真っ直ぐ見ると、王子が言う。
「解りました。」
後ろにいる家族を見ずに返事をすると、チラッと振り向き夫に行ってくると目で合図して二階の自室に向かった。
「何だろね?」
横でルーが首を捻ってる。
「王妃さまの用事で母さまが呼び出されることはあったけど、その時はいつも近衛兵だったのに…」
火急の用とは何だろう?
王妃に何が起きたのだろう?
何か…
嫌な気がする。
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