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「王妃さまが仲良くしてくれてね。有り難くも友達と言って下さったのだよ。」
アルバートがルーラに耳打ちした。
呼び出されるってそう言うこと。
友達ね。なるほど!
ひゅるるる~ん
えっ?
王子の横から入ってきた風がルーラを突き刺す。
…………。
王子達とルーラ達に会話もないまま少しの時間がたち、ようやくニィニャが箒を持って戻ってきた。
「お待たせしました。」
ティルティオ王子はアルバートに頭を下げるとニィニャと共にティスティニー家を後にする。
ジャックがドアを閉めると残った三人はソファに腰掛けた。
「初めてだよね?
王子や王子の騎士団が家に来るなんて。」
まだ納得いかないようにルーがアルバートに聞いた。
「そうだね。いつもの近衛兵じゃなかったね。内密にしたいのかもしれない。」
アルバートはルーがまだ何かを言いたそうだったのを止めた。
ルーはルーで言いたかったことを飲み込む。
王妃に通常ではない何かが起きている。王家では処理出来ない何かが。
そして…王子が入ってきた時の風。
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