真夜中の訪問者

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 夜の戸張がおり、都に出入りする三つの門も厳重に閉められた頃――  ルーラは家族との食事を楽しく終わり湯あみを済ませると貰えた自室に戻ってきた。  食事の前にお屋敷を一通り案内して貰ったのだ。  ティスティニー家は都でも高い地位にあるだけあり敷地はひろく門を入ると広がる前庭はちょっとした公園みたい。ドシッとしたツラ構え(?)のお屋敷は広そうに見えて広い。ただ、半分はパーティだのの催しものをしたり、その休憩室。参加者を泊める部屋があり常時使わないのだ。 もう半分は家族や屋敷で働くものの住まい。一階に食堂や居間。客間や執務室。二階に各自の部屋や衣装ルーム、湯あみ室。それらが建物の中央にあり、端っこに屋敷で働くもの達の住まいがある。  中央の階段から五つ目六つ目の部屋がルーラの部屋。二部屋はドア一つで行き来できて、衣装だの荷物だのを置く部屋らしい。五つ目が自室で六つ目が衣装ルーム。
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