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長いであろう飴色の髪を三編みし耳の上で円を描くように結び、結びきれないのは円の中央から下にたらして整え。服の乱れを直し、そのキョロっとした大きな目で再度確認すると馬車が止まった。
着いたのかしら?
「ここは、門です。お屋敷まであと少しです。」
窓からチラッと見たら門番らしき男の人が教えてくれた。
にこっとして窓から離れるとまた馬車が動いた。
言われた通り少し走っただけで馬車は止まり、今度はドアが開いた。
外に立っていた老人が
「おかえりなさいまし、シャンルーラ様。」
と言い、手を出してきた。
「執事のジャックです。旦那様や奥様がお待ちです。」
シャンルーラが手をのせるのを躊躇していると、手を引っ込めて一歩後退し馬車から出てくるのを待つ。
手を引いて降りたことがない彼女は手を出されても何のことか解らなかったのである。手が引いてようやく馬車から降りることが出来た。
「シャンルーラ・ティスティニーです。ルーラって呼んでください。」
ジャックの後ろにいる召し使いであろう人の人数に驚きながらもお辞儀をして挨拶をした。
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