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ジャックの案内で屋敷の中に入ると正面真っ直ぐに居間があり、そこにこの家の家族が集合していた。
「おぉ!シャンルーラ。」
真っ先に母親ニィニャが抱きついてきた。
自分が産んだ子と何年かぶりの再会である。当然であろう。
強くルーラを抱き締めると温もりを確かめるかのように頬擦りをする。そして顔を放しマジマジと見て今度はキスして家族を紹介した。
「あなたの父親のアルバートよ。お城で執務官をしているの。」
スラッとした長身で髪を短めで揃え七三に分け整った顔立ちに鼻の下の髭が渋さをかもしだしている。
「おかえり。これからだけど、親子としてやっていこう。」
ニィニャみたくギュっとした抱きつきはしないが、軽く背中を叩いてホッペにキスをした。
「次は私ね。長女のルーよ。マリアンルー。イルスラムで働いているわ。」
ルーラと同じ飴色の髪を後ろで一つにあげていて、首にスカーフをしている。アルバートほど細身ではないが太っているほどぽっちゃりじゃない体は女性には丁度いいだろう。
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