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それから、巧はまた学校をさぼり始めた。いつもの欠席スタイルは高校から変えればいいのだ…などと考えていた。
そして、しばらくして前期試験の合格発表日が来た。
「…よし!やったぞ!」
巧は合格していた!いくら学力があるとはいえ、驚くべきことだ。彼が受けたのは、県内トップクラスの高校である。
普通は、巧のように欠席が多いと頭が良かろうが落とされるはず…だが、彼は受かっていた。受かった理由は、明確ではないが、彼の本質が評価されたのだろう。
受かったことに対して巧は意外にも、全然驚いていなかった。受かるだけの努力はしてきたと言わんばかりに…
さすが、勉強面で挫折知らずの男である。
そうして、晴れて入学先の高校は決まった巧は、卒業式だけ堂々と出席し、中学生時代を終えたのだった。
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