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県立高校に入学した巧は、面接のとき発言したとおり休まず学校に通っていた。
勉強のレベルは、予想通り高い。しかし、ついていけないほどではなく、他のものも苦労しているのだろうと思った。
勉強面の実力は、まだ誰がどの程度できるのか明白ではないが、運動では巧がクラスで上位にいた。
この高校は、頭は良いが、部活での実績や歴史がなく、ただ単に勉強ができるような高校である。
一応推薦に近い形で、運動部の部員として入学させる者もいるが、二流もしくは三流選手がほとんどだ。
その少数の推薦組が少し運動ができる程度なため、巧は自然にできる側の者だった。
巧は、どうせだったらと思い今まで趣味でしかなかった、サッカーをやることにしていた。
中学では、部活に入らなかった彼がなぜここではやろうと思えたのか…
それは、単に部員が少なくサッカー部のはずが、まるでフットサル(サッカーよりも少ない人数で比較的狭いコートでやるもの)のような勢いだ。
部員数わずか7名。うち2人は所属はしているが部活に参加することは滅多にない。理由があって元々サッカーをしてきた者は消え、現在は初心者の同好会と化している。
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