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始まり
『メルアド教えてもらってもいいかなぁ』
次の日、二人だけになった隙にメルアドの交換をした。
『はい‥』
お互い、何となく照れくさくって、彼女は顔を赤らめていた。
多分、俺は茹でダコのようになっていたと思う。
まるで中坊の頃に大好きだった女の子からラブレターを貰った時のように。
大人になってこんなに胸が高鳴る恋をするなんて思ってもみなかったんだ。
ずっと人を信じる事も本気で愛する事も出来なかったから。
俺のアドレス帳の中には女の子のメルアドもあったけど、彼女のだけは特別だった。
『お先に失礼しまーす』
バイトの彼女は俺より早く上がっていく。
他のみんなの前を通り過ぎ、俺の前でおじぎをした彼女の頬は赤くなっていた。
(めっちゃ可愛い‥早く仕事終わらねーかなぁ)
メールをしたくて、したくて、たまらなかったんだ。
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