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「マジっすか……」
「マジだ……」
部屋の中で中年の男と少年が話し合っている。
二人の顔は窓からサンサンと降り注ぐ太陽光によって明るく照らされている。
「向こうとは既に話をつけている。
用意が整い次第、すぐにでも向かってくれ」
中年の男が窓の外を眺めながら言う。
「他の連中は?
俺以外にも条件を満たしたやつがいるはず――」
「うむ…しかし、一度に皆を送るわけにはいかん。
他の者に不信感を抱かせる危険性があるからな。
これは隠密行動が絶対条件なんだ。
慎重に事を進める必要がある。
応援は暫し、時を待ってから送る。
とは言っても、あとひとりが限界だろうがな」
「そうですか…」
少年が諦めたような表情で言う。
「それにしても…寄りによって何故俺なんです?」
怪訝な表情で少年が問いただす。
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