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理佳「ちょっと御邪魔してます。」
おかん「全然いーのよ。」
そう言いながらリビングに入ってきた。
雷斗「おかえり。」
おかん「今日はちゃんと晩御飯作った?」
雷斗「おう。理佳の料理もあるけど、どうしても家で食いたいらしいからいいだろ?」
おかん「アンタが一緒に食べたいだけでしょ?別に構わないわ。」
理佳「ありがとうございます。」
そして、久しぶりに3人で食べた。俺は緊張した。理佳が、何かの弾(ハズ)みで街で喧嘩したことをバラすこと。あと、今日の事件で警察から電話がかかること。最後に、久しぶりに理佳が俺の手料理を食べること。その3つの神器が俺の食欲を一瞬にして消し去った。
おかん「あら?雷斗、食べないの?」
雷斗「あんま、食欲ねぇ。」
理佳「食べてよ。ウチも作ったんだから。」
雷斗「……わかったよ。」
結局、食べる事となった。理佳はおかんと話して、すっかり元氣になった。おかんも自分の娘のように話していた。結果オーライだ。
そんな楽しい時間も止まることなく過ぎ、9時を回っていた。
「送ろうか?」
という俺の言葉も
「いいよ。すぐ近くなんだし。」
という理佳の言葉で斬られたが、おかんから
「送ってあげなさい!」
というキレ口調により、理佳を家まで送る事になった。
その日は満月だった。
理佳「今日はありがと。」
雷斗「こっちこそ、あんがと。」
そう言いながら家まで送っていった。すると、理佳が急に立ち止まった。
雷斗「どした?……あぁ、俺と別れるのが寂しいのか?」
俺は冗談で言った。…が、理佳は真面目な顔をして俺を見ていた。
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