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理佳「雷斗は頑張ってるんだね。」
雷斗「何が?」
理佳「いいえ!なんでもないですよ!」
雷斗「わけわかんねーよ。自分の料理食って頭やられたんじゃねーの?」
理佳「違うよ。雷斗の料理食べてからだよ。」
俺は怒った。
雷斗「そんなんいうなら、もう作ってやらん!!」
理佳はクスクスと笑う。
理佳「冗談だってば!!本氣にしないでって。」
雷斗「わかってるわ!!」
俺はふくれていた。自分では嘘や冗談を言うくせに他人からの嘘や冗談で騙される。
俺と理佳はまた歩き出した。すると、今度は雷斗から話しだした。
雷斗「館長は元氣か?」
館長とは少林寺拳法を教える理佳のお父さんである。
理佳「元氣よ。今も頑張ってるよ。」
雷斗「そっか~。なんか懐かしいなぁ。」
理佳「そうだね。昔は泣き虫だったのにね~。」
雷斗「うっせー!昔は目にゴミが入りやすかったんだよ。」
理佳「……いやいや、ボコボコにされて泣いてたし。」
雷斗「過去の事は言うな。大事なのは未来なんだからな。」
理佳はまたクスクス笑う。
理佳「そうだね。私と約束したもんね。“葬式以外では絶対泣かない”って。」
雷斗「そんなもんまだ覚えてたのかよ。」
理佳「疑ってるんなら、あの時の約束を1⃣言1⃣句もらさず言おうか?」
雷斗「疑ってねーよ。逆に忘れろよ。恥ずかしいだろ。」
話しているうちに理佳の家の前まで来ていた。
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