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「ん、朝かぁ。何時だろう。」ふと、時計を見るマサカズ。
昨日は、大学のゼミの飲み会から帰り、そのままベッドで寝入ってしまった。
「やばい!もう12時だ。りなとの約束の時間は11時だった。」
慌てて準備をするマサカズ。携帯電話には、りなからの着信やメールで溢れている。髪はボサボサ、無精髭をはやし、スウェットのままマサカズは駆けていった。
50メートル先にある時計台の下で腕を組み苛立ちを隠せないでいるりなの姿が見えるのが印象的であった。時計の針は13時を指していた。
「マサ!!遅いよ!いつまで待たせる気なの!!」
逢うなり怒られるマサカズは、ただ謝るしかなかった。
「今日はマサが映画を観に行きたいって言うから、友達の約束を断ったんだからね!」りなの口調は相変わらず厳しい。そう簡単に許してもらえそうにはない。
「今日の映画代はおれがもつから、それで許してよ。」必死にりなの機嫌をとるマサカズ。
数秒間が空いて、
「夕食も付けてくれたら許してあげよう!」
少し気が晴れたのか、急ににこやかになりながらも抜け目のないりなにマサカズはただうなずくしかなかった。
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