極東史記

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僕はいつの間にか元の道でなく、雲海に浮いていた。 雲海の流れが寄り添い、波音をならす。 地上の皆、見てみなよ。 その程度のことでも大河がうまれ、流星の光が波紋を照らすんだよ。 「ただ、彼女の手を」と。 少し眠ろうとしたら、光が揺れた気がした。 「愛する人に抱かれると、少し安心できた。」 愛する人に抱かれ、絡めた指に温もりを残し、僕は雲海へ流された。 過ぎ去る幸せの日々を紡いだ数を生きた証として僕は誇るよ。 彼女の影が僕を誘うように漂っている。 でもそっちは天の川、生と死を割っている場所だ。 最後に2つ紡いだ。 その1つは幸せな日々。 最後の1つは愛する君。
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