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意識の薄れていくシオンの耳にまた再び竜のはばたきの音が聞こえる。
またこちらに竜が逃げてきたのだとシオンは悟った。次の瞬間ものすごい竜の咆哮が辺り一面に響いたと思うとおそらく軍であろう人間の歓声が聞こえた。
そしてシオンのすぐそばで地響きが起こった。シオンは驚いて意識が戻った。
だが、矢の突き刺さった部分はまだ痛む、また意識が持っていかれそうになった。
目の前を見るとなんと先ほどの竜が地響きを起こしながらもがいていた。
よく見ると軍の投げ槍が右胸に突き刺さっていた。
シオンは唖然とした。だが、どこからともなく意識に語りかけてくるようにかすれた声が聞こえた。
「契約を!」
シオンは意味がわからずぼうとしていると
「契約を!はやく!契約をすれば我もお主も救われる!」
シオンはこの痛みから解放されるならと契約を求める意識に答えた。
つぎの瞬間、シオンの左
腕がものすごい勢いで光った。
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