二章

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あの日からぱったりと誠一郎は初音の元に通わなくなった。 その間に着々と見受けの話は進む。 そんな中、初音つきの禿の時が他の禿からいじめられるようになった。 時は店に来た時も愛らしかったが、最近はその美しさが日に日に強くなって来た。 そろそろ豆禿と言えない歳に差し掛かり、春を迎える頃には引っ込み禿か噂されている。 嫉妬されない方がおかしい。 美しさは妬みでしかない。 初音は、姉女郎として何も言わなかった。 それは初音が禿の時も同じだったから。 ここで負けたら一生負けなのだ。辛いかもしれないが、時には一人で乗り切らないといけない。
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