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ポム「それじゃあ行ってくるよお母さん」
早朝お母さんの墓石にしばしの別れをつげる
そこへ
マリーが大きなカバンをよいしょよいしょと担いでやってきた
マリー「ポムはまだまだ子供だわ、一人で行かせるのは心配。でも安心しておば様、私がしっかり面倒みるわ」
ポムはそれを聞いて驚いた
ポム「マリー何を言っているんだ。僕は遊びに行くわけじゃないんだよ」
マリー「わかってるわ、でも…」
涙ぐむマリーをなだめながら言う
ポム「マリー、僕は昨日でもう大人だよ、一人でも立派にやるよ、それにすぐ帰ってくるさ」
マリーも涙で声にはならないが、頭を大きく縦にふっている
ポム「なんだい?この大きなカバンは」
開けてみるとポムは笑い始めた
中にはオヤツやオモチャ、着替えやタオル、様々な物がきちんと二人分入っている
ポム「ありがとうマリー、しかしこんなに沢山の荷物じゃあ手前のノコギリ山までも何日かかかっちゃうよ。これだけもらって行くよ」
と
マリーが朝早くから作ったバスケットいっぱいのサンドイッチを手に取った
ポム「じゃあ僕はそろそろいくね」
と、お母さんの墓石とマリーに背を向け歩きだした
マリー「ポム!また必ず会えるよね?」
ポム「もちろんさ、街でマリーに似合うピンクの花のブローチを買ってきてあげるよ、それまで待っていて」
ポムは自信に満ちあふれた顔で歩きだした
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