悩みごとに嘘

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「はーい」 ちょっとくらい 遠慮してよ 『はーい』 私は急いで 階段を降りて 靴を履いた。 カタンーー 「おはよう。小野沢さん」 「おはよう。柏原くん」 『昨日の人? なんだよー付き合ってんの?』 そんなこと無いから。 柏原 優人(かしわら ゆうと)くん 生徒会副会長で 頭がよくて 髪はもともと ダークブラウンで いつもにこにこしてるからかな… 優しい感じがして いつも頼っちゃって 幼なじみって 言うよりお兄さんみたいな… 「小野沢さん。どうしたの?」 「えぇ!なんでもないよ…っ?」 「そう?今日はめずらしく寝坊?」 『今日はって何? いつもふたりで登校してんの?』 「うん。ちょっとね」 『無視かよぉ』 ちょっと黙っててよ 『ちぇ』 「…小野沢さん。なんか悩みとかある?」 内心どきどきしながら 「ないよっ」 と答える 本当はたくさんあるけど。 千歳のこともあるし でもなにより 私は柏原くんが 憧れの人だから。 だから彼には ちょっとでも近づきたいから 彼には弱いとこ 見せたく無いんだ。
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