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「こらこら!店内での喧嘩は他のお客様に迷惑だから止めてもらえますか?」
そう言いながら、守さんは僕に抱きついている十美さんを引き離し、怒る下北さんに謝罪していた。
「すみません。家のアルバイトがご迷惑をかけました。」
「いや…私は別に何されたわけじゃないが、リョータに抱きつくのはどうかと思ったわけで…。」
「リョ~ちんは私の大事なお客様だも~ん♪」
「なっ!」
「こら!十美さん!」
守さんにまた怒られつつも、下北さんには“アカンベー”と交戦的な態度をとる十美さんに、守さんは額に手をあてやれやれとため息をついていた。
「毎度の事だけど、空純くんもすまないね。」
そう丁寧な物腰で僕に謝る守さんに僕は首を軽く横にふって、
「謝る事ないですよ。まあ、抱きつかれるのは恥ずかしいですけど、歓迎されてると思えばとても嬉しい事だから…。」
そう自分で言いながら、途中で恥ずかしくなった僕は顔を赤くしてしまい、言葉を詰まらせてしまった。
「空純くん…そう言ってもらえると僕も安心するよ。」
「恥ずかしがるリョ~ちんも可愛いよ~~♪」
「うわっ!?」
「だから、あんたは抱きつくなあああーーっ!!」
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