2月の始まり

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…それから僕は、十美さんに怒る下北さんを落ち着かせ、半ば逃げるようにリーフを後にした。 ちなみに、会計は僕が全部支払うと言ったのですが、『私は割り勘が好きなんだ!』とよく解らない理由で半分づつ支払う事になった。 「で?これから何処に行くんだ?」 リーフを出て少し歩いた先で、下北さんが口を開いた。 「はい。さっきは十美さんのおかげで話せませんでしたが、これから…」 「十美!」 「…へ?」 「守!」 「え?あの、下北さ…」 「リョータ!」 「はっ、はいっ?」 「…わ、私の事も、そっ、その~なんだ!…み、名字じゃなく…なっ!……名前で呼んでくれないか?」 下北さんは突然そう言うと、顔をみるみる赤く染め顔を下にうつ向かせながら僕にそう頼んできた。 あまりに突然だった為、少し動揺してしまった僕は、まずは確認と顔をうつ向く下北さんに話しかけた。 「えっ…と、名前で呼んで大丈夫なんですか?というか突然ですね。」 「だだだだだだだだって!さっきのカフェの店員の人達は皆名前で呼んでたじゃないか!私だけ名字呼びなんて不公平だ!!」 …どのように不公平なのだろう? 僕にはいまいち良く解らなかった。
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