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実が店内を見て、かなり引いているのを肌で感じながら僕もいつも見ている店内に目をやった。
モンローを抜け店に入ったお客さんの目に写るのは、“人の形をした色々な植物”である。
それはサボテンだったり、国内じゃあまり見ない名前も知らない植物だったり、大根や人参なんかもある。
「…リョータ…なんなんだ?この人型植物園は?」
そう僕に言う実の目は、何か見てはいけない物を見てしまったような目をしていた。
「うん…ここは“プラント”って言って、実が今言った通り、人の形をした植物を主に取り扱っているお店なんだ。」
「へ、へぇ~…。」
「アハハ、変でしょ?…だけど僕はここが好きなんだ…変…だよね?」
「っ!?い、いや!人それぞれ色んな趣味があるんだから!別に変じゃないと私は思うぞ!」
「実さ…っ!?」
…その時、必死に僕を変じゃないと言ってくれる実の後ろに一つの植物が僕の目に飛び込んできた。
その植物…いや、“彼女”は今まで見てきたどんな植物(女の子)よりも綺麗な緑をしていて、凄い魅力的な色に輝いていた。
「あ…」
「見つけたみたいだねぇ~亮汰く~ん?」
「ガゼルさんっ!?」
「…また変な奴が出てきた」
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