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「…今日はいろんな事がありました。」
僕は一人、自分の部屋で独り言を呟いていた。
あの後、実は黙って駅まで僕と帰る中、別れ際に『諦めないからな!』そう言って帰りの電車に乗っていった。
僕はというと、実が何を諦めないのかよく解っておらず。
頭を悩ませながら、明日彼女へ対する謝罪の言葉を考えながら家路についた。
そして現在、僕は今日新しく家族になった“彼女”を前に心臓をバクバク鳴らせながら、“彼女”と静かな時間を過ごしていた。
「ぼ、僕の名前は空純亮汰って言います。こんな僕だけど、これからよろしくお願いします。」
無論、僕が“彼女”に挨拶したところで返事がかえってこない事は解っているわけで…。
だけど、初めて“彼女”に触れた時に感じだあの言葉が錯覚とも思えなかった僕は、一応あいさつをしてみた。
…結果は多分解っていた現実だった。
どんなに僕が“彼女”に話しかけたとしても、現実は“彼女”が喋る事はない。
そのように進化した生き物なのだから当たり前なのだが、解りきった答えに僕は少しのため息をもらし、先に沸かしといたお風呂に入る事にした。
そして、“彼女”との出会いが僕を待っていた。
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