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ドアを開ける。
中は明るく、中央に大きなベッドがあった。
側には、椅子とテーブルがある。
座ろうか、そう声をかけた。
うん、と言って彼女はサンダルを脱いだ。
彼女が座ったのを見て、俺は何故かホッとする。
「喉乾いたら、なんか飲んでて。俺、シャワー浴びてくるから」
うわぁ。
やばい。
止まんない。
もう、どうにでもなれ。
嫌われたってしょうがない。
君と繋がりたいのは、もうどうしようもないんだ。
ざあぁ…っと、水の音。
さっき、路上で唇を重ねたときの、あの陶酔感…
柔らかい唇、熱い舌。
それを思うと、少し反応する自分が、情けない。
くそっ…
ナンパなんてしつくしたのに。
遊ぶだけ、遊んできた。
でもこんなに、苦しい想いを、したことがない。
一晩楽しめれば、それでよかったのに。
これからあの娘を暴くであろう自分。
それに、こんなに恐怖を覚えるなんて…
今日は、一緒に眠るだけでもいいんじゃないかと…
逃げようとしている自分が、いた。
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