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ずっと、あの娘を探している。
一週間前、ここで会った娘。
声をかけて、いつものように、遊ぶつもりだった。
けど。
なんだか、彼女は寂しそうで、はかなくて…手が出せなかったんだ。
一緒に隣で眠ったけど、俺は彼女の唇しか知らない。
酒を頼んだら、とても喜んでくれた。
笑った顔が、すごく可愛かった。
今まで何人の女を引っかけたかは覚えてないくらいだけど、彼女はどの娘とも違う。
ほんとはきっと、優しくて、かわいい娘なのに、何かのせいでクールにしようとしてる。
ちぐはぐさが、なんとも言えず…
特別、という言葉がぐるぐると、頭の中を回ってる。
とにかく、見つけなきゃあ。
俺は通りをくまなく見て探す。
ちがう、ちがう。
もっと、俺の心が、震えるほどの娘だ。
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