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彼女のことばかり、考える。
それは、彼女の姿形…
声や、匂い。
感覚的に捉えたものすべてが、俺を魅了する。
彼女の心を考えてみる。
どうなんだろう…
俺は、愛されているだろうか。
まぁ愛されていなくても、構わない。
これから、必ず雪絵ちゃんは俺を好きになる。
でも…
あれだけ抱き合って、まだ彼女を分からないなんて。
まるで終わりがないように、俺は彼女を求める。
分かりたくて…
心のずっと奥。
何があるのだろう。
俺はそこまでたどり着けるのか?
隣にいるけど、切ない。
自分が情けなくなる。
あんなにクールで、女が寄ってきたくらいだったのに。
完璧に、無限地獄だ。
もっともっと独占したい。
俺だけの中で、どうか踊っていて…
そんなことを考えて、過ぎていく日々。
いつもの喫茶店で、二人で紅茶を飲む。
彼女のお勧めのアールグレイ。
ほんのり柑橘系の匂いが、飲んでいて心地よい。
ミルクを入れないで飲む俺。
ミルクを入れると味が変わるよ、と言う彼女。
眺めているだけで、幸せを感じた。
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