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お互いが、求めているのに。
触れあえないことが、もどかしい。
遠く電波だけに繋がれて、体は繋がることができない。
体は疼くばかりだ。
「今、一人?」
聞くと、うん、どうして、と声がする。
「ふうん…」
俺が言うと、彼女は
「なんか、悪いこと考えてるでしょ」
と言って笑う。
ばれたか、と言うと、俺はまずは毎日彼女に言っている言葉を、今日もぶつけた。
「……あぁ、雪絵ちゃん、…すっごい好きだ」
うん、と言う彼女の返事。
彼女はいつもいつも、こう答える。
自分からは決して言葉を発してくれない。
あくまでも受け身の彼女が、また焦れったくて、俺の心を乱す。
「雪絵ちゃんのこと、全部舐めまわしたいよ、全て」
怜はえっちだね、と彼女が言う。
雪絵ちゃんのせいだよ、と、甘く囁いた。
「あたしだけじゃないでしょ、今まで、あたしよりかわいい娘なんてたくさんいたでしょ」
「俺が今、好きなのは雪絵ちゃんだけだ」
そう言うと、はぁ、と溜め息をつく彼女。
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