右手と左手

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お互いが、求めているのに。 触れあえないことが、もどかしい。 遠く電波だけに繋がれて、体は繋がることができない。 体は疼くばかりだ。 「今、一人?」 聞くと、うん、どうして、と声がする。 「ふうん…」 俺が言うと、彼女は 「なんか、悪いこと考えてるでしょ」 と言って笑う。 ばれたか、と言うと、俺はまずは毎日彼女に言っている言葉を、今日もぶつけた。 「……あぁ、雪絵ちゃん、…すっごい好きだ」 うん、と言う彼女の返事。 彼女はいつもいつも、こう答える。 自分からは決して言葉を発してくれない。 あくまでも受け身の彼女が、また焦れったくて、俺の心を乱す。 「雪絵ちゃんのこと、全部舐めまわしたいよ、全て」 怜はえっちだね、と彼女が言う。 雪絵ちゃんのせいだよ、と、甘く囁いた。 「あたしだけじゃないでしょ、今まで、あたしよりかわいい娘なんてたくさんいたでしょ」 「俺が今、好きなのは雪絵ちゃんだけだ」 そう言うと、はぁ、と溜め息をつく彼女。
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