右手と左手

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気持ちいいの、と聞くと 「あぁ、すごい、すごいの」 「俺もかなり限界」 俺の声で、彼女はこれから… 遠く離れていても、二人、繋がっている、と思う。 初めは、体から始まったかもしれないけど… 君の心を、こんなにも求めている。 もっと激しく、と言うと、恥ずかしいよ、と声がする。 濡れた声に、限界を感じた。 「逝こう、一緒に。もっと擦って…すっごい可愛いよ………大好きだ、雪絵ちゃん」 「怜、あたし、逝っちゃう……!」 その声を聞きながら、俺は自身を激しく擦った。 すごい、と吐息混じりに言いながら、二人でキラキラの星空に… 快感って、なんでこんなに… してもしても、底がなくて。 輝きは、する度に強くなっていく… 飛び散って、最後、自分の指にだくだくと垂れてくる白い液体を見ながら、俺は…… なんとなく、これから先を思って、少し哀しく思った。
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