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彼女は、目を伏せて、何か言いたげに佇んでいた。
………君が、好きだ。
そう言いたいのに、言葉が出なかった。
いつもいつも、重ねる言葉。
何故か、出てこない。
この、自分の中の熱情を、どうすればいい?
心の奥から、溢れて溢れて…
君を壊してしまいそうだ……
俺は、彼女を抱きしめた。
ちっちゃな彼女は、俺の腕の中にすっぽりと納まる。
髪を撫でる。
雪絵ちゃんの長い髪…
総てが、好きだ。
どうしようもないくらい…
俺は彼女の冷たい唇に自分の熱い唇を重ねた。
あぁ。
もっと…もっと…
君を感じたいよ。
俺は舌をねじ込む。
それは彼女の舌と絡まって…
次第に更なる熱情を呼んでいく。
「んっ…怜……」
雪絵ちゃんは苦しいのか、顔を背けようとする。
それを許すまいと、俺は彼女の顔を手のひらで包んで、更に深く口付けた。
彼女の顔が歪む。
彼女の右手は、宛てもなくさまよっていた。
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