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がちゃん、と音がした。
彼女のさ迷う手が、ベッドサイドに置いてあるガラス細工に当たったようだ。
ふいに離れる唇。
彼女は、壊れている何かを見ている。
「ごめん、俺」
更に俺が続けて言おうとすると、彼女はいいよ、大丈夫、と言って寂しそうに笑った。
また、胸が苦しくなる…
この娘の中を、全て知りたい。
俺、どうしてしまったんだろう。
愛しくて愛しくて…
気が狂いそうだ。
俺は彼女に抱きついた。
「怜、どうしたの」
全部見たいんだ、と言うと彼女は
「あたしの体で、怜の指と唇が触れてないところなんて何処にも無いよ」
真っ直ぐ俺を見つめて、そんなことを言う。
「違う」
俺は彼女の服を捲りあげた。
ピンク色のフリルが、丸い胸を包んでいる。
「体じゃないんだ、もっと…奥の…」
俺は先端のピンクを口に含んだ。
「あっ……!」
色付く声は、まるで薔薇の華。
意地悪をして、少し噛んでみる。
「いた、い…」
歪む顔や、開く唇…
違う、違う。
俺が欲しいのは…
自分でも分からなくなる。
でも決して、セックスだけじゃないんだ。
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