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はははっと笑って、友は言う。
「マジや」
おお、と答えると彼は
「なんや、怜がいればいい女釣れるけん、また一緒にナンパしよう思って誘ったんや。まさか、彼女おるとは思わんかった」
悪いけんが、ナンパする気はなかよ、と答える。
「どんな女や、一度見てみたい」
「駄目、駄目。お前に逢わせたら何されるか分からんよ」
ふふ、と笑って俺は言う。
「えらく大切にしとるね。そんなにいい女や?」
「分からん。ただ、えらいハマって怖いくらいや」
へぇ、と友は感嘆の声を漏らす。
「その彼女、お前に惚れとるんや」
「………分からん。好かれとるとは思うばってんが、俺の方がえらく好きな感じばすっとね」
友は、ふふ、と笑って言った。
「怜が女に惚れるなんて、なんや嘘みたいだけん。追いかける快感、じゃなかね」
俺はわからん、と答えた。
本当に分からない。
ただ言えるのは、雪絵ちゃんをどうしようもなく、好きだということ。
「彼女は、なんや…抱いても抱いても、総てが分からんのや。抱いたらまた更に抱きたくなるばってん」
そりゃあ、恋の呪縛にかかっとるんよ、と友は言った。
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