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『サク…どっかいっちゃうの?』
私の一言にサクの足は止まった。
沈黙になる二人を余所に…午後からの部活が始まったのか、グラウンドからは野球部の掛け声が響きわたっている。
正門迄の道に静かに立ち尽くす私とサク…。
その沈黙を破るサクは、私の方を振り返りもせず、静かに口を開いた。
「……父親がリストラにあって、父親の田舎に引っ越す事に…なったんだ。だから…」
『……田舎って?』
サクの正面に回り込み、私はサクのシャツを掴み聞いた。
「…G県…」
『……G県……』
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