・-†永遠の桜†-・

12/17
前へ
/768ページ
次へ
G県はここから飛行機で二時間以上もかかる場所。 「だから、新学期からは…ここの学校の生徒じゃなくなるんだ……」 『……』 「……俺…」 『嫌だ…サクにもぅ会えないなんて嫌だよ…。嫌だ…!!! そんな遠く…嫌だぁ…』 私はサクの喋りだす言葉を遮り、声にならない声を絞り出した。 「…俺だって行きたくない。ちーちゃんや皆と離れたくない……」 サクはシャツを掴む私の手に自分の手を添えて、力強く握りしめた。 手を握りあったまま…俯くサクの瞳から零れ落ちた一粒の涙は… 声にならない二人の気持ちを代弁するかのように どうしようもできない現実を嘆くかのように… 静かに握り合う二人の手に落ちた。
/768ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4409人が本棚に入れています
本棚に追加