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美雪の家を出てからしばらくたった頃、僕たちは目的の場所へと到着した。
そこは峠のパーキングエリアなのだが、見晴らし良く日の出を見るのには最適な場所だった。
「ん~、やっと着いた~」
「なんだよ美雪はただ乗ってただけだろ?そんな大袈裟な……」
「乗ってただけって……、女性にとっては乗ってだけでも疲れるものなの」
美雪はそう言うと当たりを見渡した。
「やっぱり、誰もいないわね……」
「そりゃそうだろ、こんな山奥。第一、こんな朝早くになんて誰も来ないよ」
「でも私たちはいるわよ?」
「それは美雪が¨日の出が見たい¨言ったから!」
「何~?私のせいだって言いたいわけ?」
美雪はそっぽを向き、歩いて行ってしまった。
「ゴメンゴメン!誰も美雪のせいになんてしてないって、それよりほら見よ?
もうそろそろ日の出の筈だし、ほら早く!」
「あっ、もう!分かったわよ……」
そう言いつつ僕は美雪の手を取り手すりへと歩いて行く。
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