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「私小さい頃からタンデムって憧れだったの……」
「そうなんだ?初めて聞いたよ」
ミラー越しに美雪を見ると、彼女は寝静まっている町並みを眺めているのが見えた。
「それはそうよ、だって今までタンデムに憧れてた……なんて誰にも言った事なかったもの」
「へぇ、じゃあなんで今更俺に言ったんだ?
タンデムなら今までにも何回かやったことあったのに」
「んー……何でだろう?自分でも分かんないや。
でも、凜だって有るでしょ?不意に何かやってみたかったり、言ってみたいことがある……そんな日って」
そう静かに言うと美雪は僕の腰に回している手に、力を込めた。
その問い掛けに僕は曖昧に頷いたのだった。
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