1月1日

5/6
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
その時2人の視界は急に明るさを増した。 「おぉ……」 「キレイ……」 2人の口から出た言葉はそんな短い一言ではあったが、それがより感動の具合を指し示していた。 そんな中、僕達はお互いの手を握り締めたのだった。 「今年は……何だか良いことが有りそう!って今なら思うなぁ」 「有りそうっ、て良いことが無かったら嫌だよ俺は。 せっかく美雪と一緒何だから、せめて思い出に残る様な事がなくちゃ」 「凜……自分で言ってて恥ずかしくない? 世間一般で言う¨バカップル¨ってそういう発言から始まるのよ?」 僕は内心それでも構わないと思ったのだけれど。 そんな事を言ったら美雪が怒るのが目に見えていたので、僕は黙っていた。 そうこうしている内に美雪はまたヘルメットを被り、バイクに向かっていた。 「ほら!日の出も見れたんだし、初詣してさっさと帰ろう?」 僕は頷くと、再びバイクに跨り、朝靄の立ち込める峠を走り出した。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!