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その時2人の視界は急に明るさを増した。
「おぉ……」
「キレイ……」
2人の口から出た言葉はそんな短い一言ではあったが、それがより感動の具合を指し示していた。
そんな中、僕達はお互いの手を握り締めたのだった。
「今年は……何だか良いことが有りそう!って今なら思うなぁ」
「有りそうっ、て良いことが無かったら嫌だよ俺は。
せっかく美雪と一緒何だから、せめて思い出に残る様な事がなくちゃ」
「凜……自分で言ってて恥ずかしくない?
世間一般で言う¨バカップル¨ってそういう発言から始まるのよ?」
僕は内心それでも構わないと思ったのだけれど。
そんな事を言ったら美雪が怒るのが目に見えていたので、僕は黙っていた。
そうこうしている内に美雪はまたヘルメットを被り、バイクに向かっていた。
「ほら!日の出も見れたんだし、初詣してさっさと帰ろう?」
僕は頷くと、再びバイクに跨り、朝靄の立ち込める峠を走り出した。
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