12月25日

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その後、僕たちは静かな雰囲気を醸し出すレストランに居た。 2人でワインの香りを堪能しつつ、口に含んだ。 美雪はその瞬間、光悦の表情を浮かべ、それを見た僕は何故だかこらえきれず、笑いこぼしてしまった。 「どうしたの凜、急に?」 「いやぁ、何回もこうやって食事してきたからかな……。 何だかこういう食事のマナーにも慣れてきて、自分も大人になったんだなって……」 「変なの……当たり前じゃない、大人なんだから、いつまでも子供のままじゃダメでしょ?」 僕は首を傾げながら、曖昧に頷く。 「それはそうだけど、まだ僕達大学生なんだよ?」 そう言うと美雪は返答に困ったらしく、黙って食事を再開してしまった。 しばらく雑談をしながら食事をしていると、不意に店内の照明が落ちた。 「なっ何?何なの?」 「美雪、いいから外……見てごらん」 「えっ外?わぁ!……」 僕達の眼前には照明が落ちたのと同時に灯された、町全体を使ったイルミネーションが広がっていた。 「綺麗……、私イルミネーションが催されてるのは知ってたけど。 まさか、此処まで綺麗とは思いもしなかった……」 「お気に召して頂けたかな?」 「……もしかして凜、これを見せる為に此処を?」 「まあね、それもある」 「それも?」 僕はポケットから綺麗にラッピングされた¨それ¨を取り出した。 「まあ、予想はつくと思うけどはい……クリスマスプレゼント」 「ありがとう凜……開けてみてもいい?」 「もちろん」 美雪は慎重にラッピングを開けていき、箱を開いた。 「……可愛い!」 テーブルの蝋燭に照らされたのは、僕と美雪の名前が彫られた十字架のネックレスだった。 それを美雪は目を細め嬉しそうに見ていた、まるで子供がプレゼントを愛おしく眺める様に……。
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