1月1日

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僕は新年早々、日も上がらないうちに街中を走り抜けていた。 風を切り、ほとんど車のいない道、思い切ってスピードを上げる。 時刻は午前4時、勿論出歩いている人なんてほぼいない。 何故僕がこんなにも早く出ているのかと言うと、美雪が不意に日の出が見たい、そう言い出したからだった。 確かにそういうのもたまには悪くない、そう思い承諾したのだが……これが意外と辛かった。 とにかく、寒かった……、ライダーズスーツを着ているにも関わらず肌を刺すような寒さ、これには正直かなり参った。 そんな中、愛車を飛ばす事15分、家の前に着くと美雪は既に外で待っていた。 「おはよう、悪いわね、わざわざ迎えに来て貰っちゃって」 「いや何の、気にするなって、それより見に行くんだろ?日の出」 「うん!」 美雪はヘルメットを付けると、バイクの後ろに跨った。
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