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「あっいた!不二雄ちゃん、
今、佳奈サマ達きてっけど、
ちょっと顔見してきたら?」
カーテンで仕切られた控え室で、こっそりタバコを吸っていた不二雄。銀はコソッと言いに来た。
「ゲホゲホゲホ…はぁっ!?な、
何で俺がクソ女の為に足
運ばなきゃなんねぇんだ!」
ムセながらムキになる不二雄の煙草を取り上げ、スゥ‥と吸う銀。
「佳奈サマ人気すっげぇぇの!!
『すげぇ~美人~♪』だ
『俺のタイプだ♪』だとか
みんな言ってんぞ?」
「へ、へぇ~!も、物好き
もいいとこだな!ウケるぜ!」
銀の言葉に平常心を装う不二雄だが、何処か動揺している。カーテンを少し開け、指差す銀。
「ほれ、学もノブもアッキー
も佳奈サマに結構アピってる!」
「…し、知らねぇよ!
俺には関係ねぇっ!!!
…あれっ…クソッ…」
不二雄はそう言いながら、新しい煙草を取出し、火を点けようとするが、動揺のあまり、上手くジッポーが点いてくれない…
「…ベンジン切れ?ほい!」
銀は、ポケットから100円ライターを取出し、不二雄のくわえた煙草に火を点けた。
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