第六章 因果の迷宮

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「…………もう一回頼む」 雷帝の力云々と言われてはいたが、こういった基礎的、感覚的なことになると、おそらく空はノアの中で最下層の使い手となってしまう。 しかも、この通行証に関しては、完全に雷帝の力を頼りにすることができない。 完全に、屑桐空という一個人の問題になってくる。 元々何かの才能に恵まれていなかった空にとっては、やることは一つ。 できるまで繰り返し、何度も練習するしかない。 空は時陰の使徒が再び出した木箱に目をやり、再び集中を始めた。 「このっ…!!開きなさいよっ!!このぉぉぉっ!!」 一方、地上空間アースリィホームの資料館は、戦場のように荒々しかった。 紅蓮の鉄甲を装着した由真は、自分たちが通った入り口である扉を、壊れんばかりに殴りつけていた。
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