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「…まぁ…難しいことは俺には分からないけど、要するに俺にしか開けられない造りになってたから、今まで開かなかったんだろ?」
「厳密に言えば違うんだけど…大体は合ってるわ。
ただ、開ける方法が無い訳じゃないのよ。
暗号は発源の力によって作られるから、根元から無の発源で打ち消せば良いの。
でも、過去の歴史を遡っても、ノア側には無の発源を持つ人は出てきてないの。
まぁ…自動的に現実世界の中ではこの扉を開けられるのはあんただけって事になるわね…」
由真がそう言うと、資料館の入り口で扉の開く音がした。
途端に由真と紗希がそちらの方を向いたが、入ってきた人物は、この場に呼んだオルスカだった。
オルスカのいる塔からここは少し離れた地点にあり、エレベーターを使ったとしても、早すぎる到着だったのだが、今の三人にそんなことが分かるはずがなく、さして疑問も抱かずにオルスカの到着を確認した。
「オルスカ、こっちよ」
そして由真は挨拶を省略し、真っ先にオルスカを扉の方に導いた。
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