第五章 躍動

56/65
前へ
/409ページ
次へ
「とりあえず空、良くやってくれた。これをどうにかして解析することで、状況は大きく変化するだろう。 まぁ…どちら側に有利に動くかは分からないがな…。 あぁ…それと、頼まれていた錬玉はこれだ」 オルスカはそう言って空に錬玉を手渡した。 「ありがとうオルスカ……」 空がそのまま錬玉を受け取ると、その瞬間に錬玉は輝きだし、錬玉からはクラウ・ソラスが作り出された。 「えっ!?ちょっと空!!言ってなかったけど、資料館で武器の使用は厳禁よ!? 今すぐ戻して!」 空とオルスカの対話を黙ってみていた由真が、急に作り出されたクラウ・ソラスに驚愕し、いつもより強めな口調でそう言った。 資料館は原則武器、発源の使用は禁止されている。理由は考えるまでもなく、資料の希少価値を観点に入れれば自ずと分かるようなことである。 「あっ…いや、俺じゃない!クラウ・ソラスが勝手に…」 しかし、空にも訳が分からなかった。 事実空は錬玉に触れただけで、クラウ・ソラスを作りだそうとは微塵も考えていなかったのだ。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21776人が本棚に入れています
本棚に追加