第五章 躍動

60/65

21773人が本棚に入れています
本棚に追加
/409ページ
その瞬間に、クラウ・ソラスは形状を変えて錬玉に戻る。 不可解なことばかり起こると、空は瞬時に思ったが、その思考もすぐに止まってしまう。 「ちょっと空…、今度は何なのよ…!?」 由真がそう怒鳴るのも当然である。 おそらく空以上に何が起こっているか分からない由真達は、目の前の扉が突然光りだしたことに驚きを隠し切れていない。 だが、空もまた同じだった。 よく目を凝らして床の扉を見てみると、先ほどまでクラウ・ソラスが刺さっていた窪みから外に向かって、何本もの細い線が現れていた。 そして、その一本一本から強い発源の力を感じる。 空はこの瞬間に、扉の開く条件を満たしたのだと思った。 考えてみれば、一層目の扉は雷帝 レイン=シリウスの発源が扉を開く条件であった。 そう考えれば、レイン=シリウスの武器であるクラウ・ソラスを開放の条件にするのは、ある意味暗号よりも確実に信用できる鍵だった。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21773人が本棚に入れています
本棚に追加