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歴史的瞬間に立ち会えたことは素直に嬉しかったのだが、このように何度も同じようなことをされては、呆れてしまうのも当然といえば当然だった。
そのような心境で三層目の扉を見てみると、扉には先ほどのクラウ・ソラスを差し込むための窪みよりも、遥かに小さな窪みがポツンと真ん中に刻まれていた。
「…ねぇ…空…、これって…」
「…多分…そうだと思う…」
しかし、空も由真も、次の扉を開くための条件がすぐに分かった。
何故なら、この扉は何度も見たことがあるからである。
空の左腕にある腕輪。
空間を転移するための宝具、俗称で言う通行証。
その通行証で作り出す扉に酷似していた。
異なる点はただ一つ、真ん中にある小さな窪みだけである。
「でも…おかしいわよ。通行証はあんたが直々に時陰の使徒から貰ったものでしょう?
それが何でここに…」
由真が抱くのは当然の疑問。
それまでの扉の共通点は、雷帝 レイン=シリウスだったが、ここに来てその共通点が崩れていった。
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