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「これをはめれば良いんだよ…な…?」
空は確認を取りながら扉の上に立つと、重心を下げていき、扉に膝を付けた。そして状態を倒していくと、右腕を捻り、通行証を扉の窪みにはめ込んだ。
するとその瞬間、通行証から眩い光が放たれた。
力の行使を感じる。
空は成功を確信し、起き上がろうとしたが、異変に気がついた。
「…あれ?外れない…」
通行証が窪みから外れなかったのだ。
それに気がついた由真が、空と同じく扉の上に降り立ち、しゃがみ込んで通行証を見た。
「…きっと…まだ終わってないだけじゃないの?
空、何か体に変化はない?」
由真がそう尋ねるのにも理由があった。
歴史上には、このように特定の扉を開放する任務も多々あった。
その際、ごく稀に発源の力を吸収する扉がある。
雷帝が作ったらしい扉なのだから、そんな心配はないのかもしれなかったが、由真は一応確認のためにそう尋ねた。
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