第六章 因果の迷宮

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「目…覚めた…?」 空がその瞳を開くと、由真が上から自分の顔をのぞき込んでいるのが目に入った。 その表情は、不本意ながら何度も見たことのある安堵の表情。 そして次の瞬間には、後頭部に柔らかい感触を、そして、右腕に痛みを感じた。 「由真…?あれ…?」 空が現在の状況を確認すると、自分は由真の膝の上に頭を乗せているのが分かった。 それに、今二人がいるのは、二畳か三畳程しかない狭い空間。 そして、この場所の片隅にはクラウ・ソラスが立て掛けられていた。 そこまで確認したところで、空は全てを思い出した。 落下中、空は由真の体を抱え、クラウ・ソラスを壁に突き刺して降りてきたのであった。 その証拠に、目の前の壁には、クラウ・ソラスの剣先の跡がずっと上まで続いている。 痛む右腕は、その時に腱を痛めたりしたのだろう。 頭上には、由真が作り出したであろう小さな炎弾が浮いている。 それを灯りにしたようだが、それでもこの空間は、まるで少し前に戦った時変者の発源のような闇を連想させるほど暗かった。
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