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空は不思議そうに首を傾げながらも、由真の指先が差す方向に目線を送った。
「ほら…、たぶん一層目の扉と同じ作りの扉よ」
その先にあったのは、資料館の床にあった扉をそのまま拡大させたような扉だった。
レリーフの配置や紋様も、先ほど空が開いた物に酷似している。
由真だけでなく空にも、その扉を開けることができるのは誰かということは瞬時に理解できた。
「ってことは…奥にまだ何かあるってことだよな…?」
「それは当たり前でしょう?あれだけ複雑な造りをした扉の中身が落とし穴だけでした~…なんてことだったら許さないわよ。
あんたも怪我損だしね…」
由真の何気なく言ったその言葉も、空にとっては嬉しいものだった。
そして少し上機嫌になった空は、上体だけを起こしている今の状態から、足を動かし、そして扉に向かって歩いていった。
足元が暗く、ほぼ手探りではあったのだが、三畳程度しかないこの狭い空間だったので、空は数歩で扉の前にたどり着き、そして扉に刻まれたレリーフの上に手を置くと、集中のためにゆっくりと瞼を閉じた。
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