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「まぁ…他に選択肢もないものね…」
一種の諦めの境地に達した由真は、手のひらを上に向けると、そこから小さな炎弾を作り出した。
それが灯りとなり、暗い道が照らされる。
しかし、それでも奥の方は見えなかった。
「さぁ、行きましょう?」
「あ…あぁ…」
現状に不安しか感じられなかった空だったが、由真の一言を聞き、自然と落ち着きを取り戻していった。
空は一旦戻ってクラウ・ソラスを回収し、そして、二人は一歩足を踏み出した。
床に何か仕掛けがあるかもしれないという考えから、歩みは自然と慎重になる。
由真の手のひらの炎は、形状こそは落ち着いているものの、炎特有の揺らめきは健在だった。
それゆえに、見える距離も範囲も変わってくる。
この現実世界にいる以上、時変者に襲われる心配は無いのだが、先ほどの落下の時のようなことがあれば、今度も助かるという保証はどこにもない。
必然的に無言になりながら、二人は前に進んでいく。
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