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「そこで、この2ヶ月、君たちには鍛錬を積んでもらいたい。方法は任せよう。
そして、ここの力がそれなりに付き、漆黒の空が復活した日には……私たちから時変者に攻撃を仕掛けよう」
突然のオルスカの提案に、ノア一同は急にざわめきだした。
そして、列の中腹あたりに座っていた初老の男性が立ち上がり、口を開いた。
「オルスカ…、鍛錬を積むのは重要だ。そこに異論はない。
しかし、攻撃を仕掛けるのはいささか軽率ではないかな?
ここはやはり正攻法で、今まで通りに守りに徹するのが良いのではないか?」
「ハーヴェイか…。確かに君の言うことも一理ある。しかし…」
「だぁぁぁぁぁぁっ!!まどろっこしい!!」
オルスカの言葉を遮ったのは、ハーヴェイと呼ばれた初老の男性のさらに後ろで座っていた女性だった。
その女性は、赤みのかかった茶髪の髪に、それと同じ色の目を光らせ、この会議にふさわしくないようなラフな格好をしていた。
その女性は自分の座っていたイスから勢いよく立ち上がり、ハーヴェイを指差した。
「ヘイ、ジジイ!!てめぇは何生温いこと言ってんだ!」
女性の突然の暴言に、あたりはざわめき始めた。
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