電話

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病院のイスに座り、ぼーっと時を過ごしていた。 何も考えられない。 考えたくない。 本当にいなくなったの…? 朔ちゃん…! 「彩音ちゃん…」 「おばさん…」 少し落ち着いたおばさんが、私に話しかけてきた。 私の隣に腰かけて、ゆっくり話し出す。 「…あの子ね、ずっと言ってたのよ」 『彩音に……彩音に電話……しないと……きっと、待ってる、から……』 「あれが、あの子の最期の言葉だったわ…」 「…!」 朔ちゃん…! 私の目から、大粒の涙が溢れてきた。
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